困っていることを気づけないのも障害

 

昨年から対面での研修会は軒並み中止、Zoomを使ったウェブ研修になっています。まだこの状況、続きますね。直接顔を合わせ勉強し、その後、懇親会をするという日常は、当たり前ではありませんでした。

また以前のように交流できる日を信じています。元気出していきましょう。

 

「高次脳機能障害」の方の手続きが続きました。高次脳機能障害とは、脳に影響する病気・事故による後遺症です。わかりやすい後遺症、たとえば、手足に麻痺が残り、杖や車いすを使わなければ移動できなくなった、といったものとは違い、一見するとわかりにくい症状となります。

 

「注意障害」(例:作業ミスが多い)、「記憶障害」(新しいことが覚えられない)、「遂行機能障害」(仕事の優先順位がつけられない)、「社会的行動の障害」(感情の抑制ができない)など、さまざまな日常生活上、就労上の支障がみられます。

 

振り返り、次回に活かしたい事柄がいくつかあります。受任した手続きで、「自己認識の低下」を支障として挙げる方がいらっしゃいました。後遺症のため日常生活や仕事で困っていたのにもかかわらず、それを認識できなかったというのです。後遺症で注意障害となり頻繁に書類の作成ミスをしてしまっても、発症前の倍以上の時間、作業に充てることで防ぐよう努めたとします。それでご本人は「なんとかやっているので大丈夫」、と支障に目を向けないのだそうです。そんな作業ばかりで疲れ切ってしまい本当はとても困っているのに。

 

これに思い当たることが、他の高次脳機能障害を持つ方でもありました。1人暮らしの方ですが、「日常生活で困っていることはないでしょうか」と尋ねても「特にないですねぇ」と答えていらっしゃいました。

しかし、よーくお話しをお聞きすると、先を見通し計画的に行動することが苦手であることが感じられました。また、視界の半分が注意障害のために見えていないことが多かったのです。「よく物にぶつかる」とお話しになりました。

「それって困っていることですよね?」と聞き返すと、「あ、そうですね…」とおっしゃるのです。

 

障害年金では「あるある」です。高次脳機能障害に限らず、ご本人が「困っていない」とお話しになっても、認識できていないだけ。これ、とても多いのです。

ご本人の思い込みによるお話を鵜呑みにするだけでは足りません。客観的な事柄をできるだけ聞き出すなど、聞き取りをすることの大切さをあらためて感じています。

 

 

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