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発達障害、しかも就労中の支給決定

2019年の終わり、比較的穏やかな天候が続いていて、心も平穏になります。今年も様々な学びがありました。

                            

障害年金の請求で、発達障害でのご依頼が多かったと振り返っています。それも、就労している方々からのご相談です。大学を卒業しているなど高学歴で、気分の落ち込みはあるものの、本格的に気分障害(うつ病など)を発症しているわけではありません。しかし、社会人になってから、仕事中、対人関係のトラブルが生じ退職を繰り返すなど、深刻な問題を抱えています。このような、診断名に他の精神疾患を含まない「広汎性発達障害」や「自閉症スペクトラム」だけの方の場合、提出書類をそろえるのにいつも以上に慎重になります。

 

発達障害は、精神の診断書を使います。3年前から厚労省が公表している「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」で、お医者様が診断書でチェックを入れた箇所から、ある程度、障害年金の等級の目安がつくようになっています。しかし、等級の判定は診断書のチェックの入ったところ以外の、他の要素も含めて総合的に評価されます。たとえば、その方の直近の就労状況もポイントになります。主治医の先生が作成された診断書が、ガイドラインで明らかに2級に該当していても、直近の就労状況から不支給になることはままあります。

 

請求する時点でも就労している場合は、さらに困難です。ご本人だけでなくご家族からも聞き取り、特に異常だと感じられる行動をピックアップ。主治医の先生に伝え、診断書に記入していただくようにしました。考えられうる資料も添付するなどし、なんとか支給決定を得ることができました。難易度高めの案件ばかりだったため、心からホッとしたものです。

 

ところで、初めての請求はご自身でされ、不支給になってから再チャレンジ(再度の請求)でご依頼いただくこともあるのですが・・・。そんな情報まで事細かに出さなくてよかったのに、と思うことも多いです。

というのも、前回、不支給のときにご自身で作成した「病歴・就労状況等申立書」は、年金機構にずっと残ります。次に代理人の私が新たに作り提出しても、審査のための資料になるのです。この「申立書」は、障がいによる日常生活上の支障を記すもの。しかし、ご自身の症状を客観視できる方はごくまれだと感じています。病状があっていろいろな支障があっても、自覚できていないため、軽症の印象を与えてしまう「申立書」は、診断書が重症でも、それを打ち消してしまうことも。

 

その上困るのは、私が作り直した「申立書」を出しても、前回の文書が軽症を表していて、今回にも影響する内容の場合です。軽症を否定する資料や証明を見つけ、添えなければならなくなるため、手数がかかることがあります。