風薫る季節となりました。
今月もお蔭様でいくつかの障害年金の支給決定のご連絡をいただいております。
お1人の方は、決定まで半年以上かかりました。診査が長引く理由がわからず、やきもきしました。3級で決定されるのだろうと見込んでいたところ、結果は2級。時間がかかっていた理由は、3級か2級か判定の難しい事例だったためのようです。審査医の先生への確認事項が多かったからかも、と推測しています。
さて、お客様のなかには、障害年金の支給が決まる前から、健康保険の「傷病手当金」を受けていることがあります。よく勉強されているお客様は、次のようにお話しになります。
「障害年金※と『傷病手当金』は両方を全額、はもらえないんですよね」。
※1 ここでの「障害年金」は障害厚生のみ、または障害厚生と障害基礎を合わせた額を指します。以下同じ。
同じ傷病により、給付を受けている場合は確かにそうです。傷病手当金の日額と障害年金を360で割った額とを比較し、次のように調整されます。
1.〔障害年金<傷病手当金〕のとき
・・・障害年金を優先して受け取り、傷病手当金は障害年金との差額分だけ受けられます
2.〔障害年金≧傷病手当金〕のとき
・・・障害年金だけ受けられ傷病手当金は受けられません
知らないと困るケースは、過去にさかのぼって障害年金の権利を得られたときです。さかのぼった期間に傷病手当金を受けていた場合は、健康保険に傷病手当金の一部、または全部を返還しなければなりません。返還額は、月単位で考えます。1の場合は障害年金の1ヵ月の金額分、2の場合は傷病手当金その月分全額となります。
このような調整がされるのは、同一の傷病である場合だけです。
たとえば、内臓疾患で休職しなければならず傷病手当金を受けているA様ですが、別にうつ病の治療も受けていました。障害年金はうつ病で請求、過去にさかのぼって決定しました。このようなケースでは、健康保険に傷病手当金を返還する必要はありません。それぞれの給付の原因となる傷病が別だからです。
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