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亡夫が障害年金を受けていたからこそ、遺族年金が受けられた

遺族年金を見据えた障害年金の受取りも
遺族年金を見据えた障害年金の受取りも

 一家の大黒柱である方がご病気になり、障害年金請求のご依頼をいただくことがあります。

 これから書く事例に、時々当たります。「縁起でもない」、と言われるかもしれません。

 しかし、特に40代くらいまでの若い方や年金保険料の納付期間が短い方で、障害年金を受ける場合、または受けようと考えていらっしゃる場合、知っていて損はないと思います。

 

 障害年金を請求して短い期間に、残念ながら亡くなられる方がいらっしゃいます。障害年金に限らず年金は、亡くなられた月の分まで受け取ることができます。たとえば3月に亡くなられた場合、ご存命だったときのサイクルでは4月15日支給分(2月、3月分)までが支給対象となり、ご遺族がこの年金を受け取ります。

 

 ご遺族がいらっしゃる場合、障害年金の受け取りがなくなると、次に遺族年金を考えます。遺族年金は、亡くなられた方とご遺族※1、それぞれが要件を満たせば受け取ることができます。

 

 遺族年金は2種類あります。「遺族基礎」と「遺族厚生」です。「遺族基礎」は、ご遺族にお子様(18歳になってから最初の3月末までのお子様、または障害状態の20歳未満のお子様。以下同じ)がいらっしゃる場合に、亡くなられた方のご主人や奥様(夫、妻とも年齢要件なし)に支給されます。またはお子様に支給されます。

 たとえば、A様(男性)が亡くなり、小学生のお子様2人と奥様が遺されたとき、年間約123万円(月額約10万2,000円)が支給されます。

 

 「遺族厚生」は、ご遺族が要件を満たしていても、亡くなられた方の年金の加入状況によっては、必ずしも支給されるものではありません。なお受給できるご遺族は「遺族基礎」より広く、妻以外は年齢要件があります。受給できる方の優先順位も複雑です。ここでは詳しい説明を省きます。

 子供のいないご夫婦で厚生年金の加入歴のあるご主人が亡くなった場合の2つのケースで考えます。

 

 30代のB様(男性)のケース。

 B様は33歳。「障害厚生」を受けているときに亡くなりました。病気のため5年勤めた会社を退職し、亡くなった時は無職、国民年金の加入者でした。

 ご夫婦には子供がいなかったため、「遺族基礎」は出ません。しかし、奥様には「遺族厚生」の支給が決定し、しかも25年の計算で振り込まれることになりました。

 

 40代のC様(男性)のケース。

 C様は43歳。10年勤めた会社を病気のため退職しました。初診から10年後、国民年金の加入者として亡くなりました。障害年金の請求をしようかどうか迷っている間に、急にご病状が悪化したのです。30代の奥様が遺されました。

 子供がいなかったため「遺族基礎」は支給されませんでした。さらに、C様は10年勤め高い保険料を納めてきたのにも関わらず、奥様には「遺族厚生」も支給されなかったのです。

 

 

B様とC様、お2人とも年金の加入期間が“短い”方です。“短い”とは、老齢年金を受けるための資格期間の25年※2に満たないことを言います。資格期間の25年を満たしての死亡なら「遺族厚生」を受けられます。

 資格期間が短い方でも「遺族厚生」が受けられることがありますが、それは次の3つの場合だけです。

 

 

 

【遺族厚生が受けられる条件――資格期間が25年未満の場合――】 

 

 ① 厚生年金に加入中の死亡

 

② 厚生年金に加入中に初診日がある病気や

  けがが原因となる、初診日から5年以内の

  死亡

 

 

③ 1級・2級の障害厚生(障害共済)を受給中の死亡

 B様は③の条件で受けられたのです。なお、「障害厚生」が3級であっても、その病気やけがで死亡した場合は、死亡するほど重症であったため、死亡時に2級以上の「障害厚生」であったと取り扱われます。そのため、③の要件で「遺族厚生」が受給できます。

 また、上記①~③での死亡では、遺族年金の計算も有利になります。厚生年金の実期間が25年に満たない場合は25年で計算してくれるのです。

 

 ちなみに、A様のケースのようにお子様がいらっしゃり「遺族厚生」を受ける条件を満たしていれば、「遺族基礎」に上乗せして「遺族厚生」も受けられ、給付はさらに厚くなります。

 

 大黒柱である一家の長が受ける障害年金は、亡くなられた後は「遺族厚生」として、ご遺族の生活を支える柱となります。

 

 日本年金機構「遺族年金ガイド」

 

※1「遺族基礎」「遺族厚生」のご遺族 共通の要件

  ・・・ 生計を同じくしていること(一緒に住むなどし、年収850万円〈所得655万5,000円〉

    未満であること)

※2 老齢年金を受けるための資格期間25年

  ・・・ 25年には、すべての年金制度(国民、厚生、共済)での納付済み期間および、免除・

    猶予期間など含む。

     なお、消費税10%導入時に年金改正され老齢年金を受ける際の資格「25年」は

    「10年」になることが決まっている。

     しかし、この改正があっても、遺族厚生を受けられる条件の1つ、「資格期間25

    年」の変更はない。

 

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