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知的・精神ガイドライン検討会 傍聴の感想

知的・精神のガイドラインは心ある常識的な内容に
知的・精神のガイドラインは心ある常識的な内容に

   先週2月4日(木)、厚生労働省で開催された、障害年金の認定基準にかかわる審議会を傍聴してきました。

 

 「精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会」の第8回です。まとめられた資料に委員からの異議はなく、最終回となりました。なお、この会議で決まった新しいしくみが実施される時期は、まだ明らかにされていません。

 

  会議中、2つのことで心を動かされました。今日はその1つを書きます。

 

 「障害基礎」年金の支給・不支給の決定は、都道府県ごとの年金機構でそれぞれの認定医によって行われます。客観的な数値で測れない精神・知的の障がい状態は、認定医によって審査結果に差が生まれやすいのが以前から問題視されていました。

 

  そして昨年、統計データに歴然とした地域差が現れていることを新聞が公表します。世論が動き、今回の審議会発足となったのでした。審議会で決まったことの1つに、全国統一となる障害等級を決める際の目安表(ガイドライン)があります。

 

  ところで、すでに障害年金の支給が決定され年金を受けている場合、更新があります。これは、1~5年ごとの診断書の提出による審査です。

  1~5年ごとの期間は、その人の症状により年金機構の認定医が決めています。

 

  新しく決まったガイドライン導入で心配されていたのは、更新で引き続き同じ等級の年金を受けてきた人に対する審査が厳しくなることです。これには、私もとても不安でした。これまでご依頼を受けてきたお客様の診断書と、ガイドラインを見比べると、等級が下がったり、等級に当てはまらず結果的に支給停止となったりするケースが大幅に増える、と思われたからです。

 

   しかし、審議会で渡された資料にこの予想を裏切る、“ああ、制度の運用にも人の心が通っているんだ”と感じ入るものがありました。『既に障害年金の認定を受けている方への対応』です。ここには、機械的にガイドラインを当てはめるのではないことが記されていました。

 

   具体的には、等級が下がったり、支給停止になったりすることが見込まれる場合には、本人や家族、診断書を作成した医師などから聞き取りをするなど慎重に審査するよう留意する、とあります。また、診断書などから総合的に判断して障害の状態が従前と変わっていない場合は、当分の間、等級変更はしない、とのこと。実施後3年を目途にガイドラインの見直しをすることも明記されていました。

 

   審議会の対象である障がい・ご病気の方の家計に占める障害年金の価値の大きさを認めた、実態に合った決定内容だと思います。委員のお医者様の中には、客観的で厳しい(厳しすぎる)意見の方もいらっしゃいました。

   その一方で日本福祉大学の青木聖久先生が、会議のなかで対象の方たちの文面に表しづらい実態を、繰り返し訴えていらっしゃったのが印象的でした。青木先生の人情味あふれる意見が主導し決定した事項も少なくないと感じています。

 

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